将棋のおもしろさ
動画サイトで将棋関連の動画を見るのがひとつの楽しみだ。
裁縫をしながら動画を見る(動画を見ながら裁縫をする?)時間がリラックスできていい。
先日、動画を検索していたら、羽生永世七冠の将棋講座の動画を見つけた。
1995年の羽生先生が25歳の頃の講座だ。
初心者用の講座だったので、軽い気持ちで見ていたのだが、
途中、ハッとする手が飛び出し、やっぱり将棋っておもしろいなぁと思ったので紹介したいと思う。
まず、下の図。必死をかけるとしたら、先手の次の一手はなんだろうか?
ある程度、将棋を指す人ならすぐ浮かぶと思う。
玉は下段に落とせで▲3一角。
王様を逃げると詰んでしまうので、後手は取るしかない。△同玉。
そこで、玉は包むように寄せよで、▲1二金。
△3ニ金と受けても、▲4一金で詰み。
△4ニ金と受けても、▲2ニ金打で詰み。
私はこれで後手受けなしだと思った。
ところが・・・。
後手には△4二飛という最強の受けがあった。
▲2ニ金打と▲4一金が同時に受かってる・・・。
恥ずかしながら、私はこの手は見えてなく「おーー」と思ってしまった。
実戦でこの局面になったら焦ってしまいそうだ。
▲同とで飛車は取れるけど、そうすると後手玉は全然寄らなくなってしまう。
実戦だったら、私は▲5三歩と指してしまいそうだ。
ところが、今度は先手に絶妙手がある。
焦点の歩、▲3ニ歩。
△同飛なら▲4一金、△同玉なら▲2ニ金打でいずれも後手玉は詰み。
△4二飛が▲2ニ金打と▲4一金を両方受けているんだけど、
▲3ニ歩と打つことによって、どう対応しても飛車の効きがどっちがひとつになってしまう。
基本的な手筋だと思うけど、「おーー」と感心してしまった。
そして、将棋っておもしろいな、このおもしろさがわかる自分は幸せだなと思い、
自分のことを好きになった(大袈裟だが)。
それにしても、この1995年の将棋講座の講師は、
1月~3月が佐藤康光先生、4月~6月が羽生先生、7月~9月が先崎先生という
凄い豪華な講師陣だ。
この頃、私は20歳でフリーターで、日曜日は1日仕事だったから将棋講座は見てなかったんだよな。
先崎先生はどんな感じの講座だったのだろう?
昔の将棋講座やNHK杯将棋トーナメントはDVD化して発売してくれないかな。
特に1980年代後半から90年代前半のNHK杯はもう一度じっくり見たいなと思う。