2021-02-27 乾くるみ「イニシェーション・ラブ」 本の感想 イニシエーション・ラブ posted with ヨメレバ 乾 くるみ 文藝春秋 2007年04月 楽天ブックス 楽天kobo Amazon Kindle 乾くるみの「イニシェーション・ラブ」を読んだ。将棋のプロ棋士の先崎九段のエッセイで紹介されていて読んでみようと思った。 「最後から二行目でどんでん返しがある」「必ず読み返したくなる」とのことだったので、どんなどんでん返しがあるのか楽しみだった。内容は若者のラブストーリー。時代背景が1980年代で、各章のタイトルが昔のヒット曲名になっていて、1980年代が好きな私は楽しめた。文章も読みやすくスラスラ読めた。とにかく、最後のどんでん返しを早く読みたくて、最後を読むために早く読んでいるという感じだった。今は情報が簡単に手に入ってしまうので、読む前にうっかりレビューなどを読んでネタバレしないように注意した。 そして、最後のどんでん返し…。最初は意味がわからなかったのだが、しばらくして意味がわかった。なるほど、と感心してしまった。私は完全に騙された。「必ず読み返したくなる」とのことだったが、確かに最初から読み返して「答え合わせ」をしたくなった。最初の結末を知らないで読んでいた時より、結末を知った後で読んだ方が面白く、なるほどこれはこういうことだったんだと楽しめた。よくできた作品で、凄い作品だと思う。理解すればするほど面白さを感じだ。読んでよかった。この作品を読むと、人に「読んでみて」とすすめたくなる。他の人の感想を聞きたくなる。そして、私が今そうしているように、作品についてあれこれ論じたくなる。この作品は映画化もされているみたいだ。どうやって映画にしたのだろう。普段、映画をまったく見ない私だがこの作品の映画は見て見たい。この作品を読んで、作者の乾くるみさんに興味を持った。今は同作者の「リピート」を読んでいる。こちらも面白い。