ドラマ「白い巨塔2003年版」の好きなシーン
ドラマ「白い巨塔（2003年版）」が好きだ。
このドラマは非常に好きなドラマで、放送当時リアルタイムで見ていたが、
その後も度々見たくなり、何度も繰り返し見ている。
おそらく10回以上、見ていると思う。
不思議なもので、ストーリーはもちろん、次のセリフまで覚えているのに、飽きない。
何度見てもおもしろいなと思う。また、新しい発見がある。
漫画とか小説でも、セリフや文章を覚えているのに何度も繰り返し読んでしまうのと同じだ。
このドラマ、メインのストーリーも当然面白いのだが、それ以外の部分も
非常に細かく撮られていてそこが凄くいい。出演しているみなさんの演技が素晴らしい。
何回見ても飽きないのはそのせいだと思う。
特に、このドラマは、人がなにかを決意するシーンがたくさん出てくる。
その時の演技(表情）が素晴らしい。
このドラマを初めて見た2003年の時、私は28歳だった。
それから度々このドラマを見ているが、毎回受ける印象が違う。
共感できる登場人物が違う。
「今見ると、○○の気持ちがわかるな」とか「この○○の発言はこういう意味だったのか」
などと思ったりする。私も歳を重ねて物事に対する考え方が変わってきたからだと思う。
以下、特に好きなシーンを書いてみた。
・里見が財前に「医者は神様じゃない」と言う。
ところがその後、今度は財前が里見に「医者は神様じゃない、人間だからな」と言うシーン。
第1話の最後だと思うが、このシーンを見てこのドラマは最後まで見逃せないなと思った。
・末期癌患者役の林田加奈子（木村多江）が癌の告知を受け、
「ライバルはいても友達はいません…」と泣き崩れるシーン。
・同じく林田加奈子（木村多江）が、病院を去る時、バス停で里見に
「先生こそ、あんまりがんばりすぎちゃダメよ」と言うシーン。
このドラマを見て木村多江のことが好きになった。
・佐枝子(矢田亜希子）が、東教授に
「お父様は立派にお勤めをなさったわ。教授を退官なさってもお父様はお父様よ。
これからはゆっくり休んでいつまでも元気でいてほしいの」というシーン。
東教授が涙を隠そうとして外に出る姿がいい。実の娘にこんなこと言われたら嬉しいだろうな。
・里見が大学病院を辞める時、「僕にはあなたの代わりはできません」
「辞表を撤回して下さい」と言う竹内医局員(佐々木蔵之介）。
こんなことを言ってくれる後輩がいたら、心からありがとうと思う。
・大河内教授が大学を辞めて職が決まらない里見に千成病院の紹介状を渡して就職を世話するシーン。
隣の部屋で話を聞いていた妻役の水野真紀の表情がいい。あれは何度見ても泣ける。
自分を見てくれている人、自分を理解してくれる人がいるというのは、本当に嬉しいものだ。
私は就職活動でかなり苦労してきたので、このシーンは何度見ても涙が出てきてしまう。
・看護婦の亀山君子が浪速大学を退職する時に、
「ここにいると誰も好きになれなくなる。多分私も・・・」とつぶやくシーン。
そうは思っていてもなかなか仕事は辞められないものだ。
自分の感情を大事にする人は強いなと思う。そしてそれが正解だと思う。
・東教授が法廷に立つ決意をして、関口弁護士（上川隆也）に「私でもお役に立てますか？」というシーン。
東教授のなんともいえない表情がいい。このシーンも何故か凄く泣ける。
・佐枝子(矢田亜希子）が貸した傘が里見の家の外にポツンと置かれているシーン。
里見が大学を辞めた日に、佐枝子(矢田亜希子）と食事をして、佐枝子から傘を借りて帰宅。
自宅には、実家に帰った三知代(水野真紀）が待っていた。
佐枝子から借りた傘が里見の家の外にポツンと置かれている。
佐枝子は里見を想っているが、里見の家庭には入り込めない。
佐枝子の切ない想いと里見の家庭の温かさがうまく表現できていると思う。
・財前と佐々木よし江の対質尋問のシーン。
「同意書書いたからって同意したわけじゃありません！」
「同意書というのは同意したら書くものです!!」のやりとりがいい。
柳原先生の「財前先生の言ったことは嘘です！」のシーンも好き。
・財前が肺癌になり、手術を頼む先生について里見と話しているシーン。
「東教授の技術は一流だがよほどのことでなければ・・・」とためらう財前に、
「よほどのことじゃないか、財前」
「君は、君自身は東教授に切ってもらいたいんじゃないのか？」という里見。
二人の間を取り持つ里見。東教授も手術をすることを了承する。このシーンも凄く好き。
以上、他にもたくさんありますが、私が特に好きなシーンでした。(セリフは私の記憶なので微妙に違うと思います）
白い巨塔は、来月、2019年版が放送されるらしい。
こちらの方も楽しみだ。
