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第37回 NHK杯将棋トーナメント 2回戦・第13局 谷川浩司王位 対 羽生善治四段

1987年11月に放送された、第37回NHK杯将棋トーナメント 2回戦 谷川浩司王位 対 羽生善治四段の対局をアベマTVで見た。(タイトル、段位は当時のもの)この対局も見たことがなく、ずっと見たいと思っていたので今回見ることができて嬉しい。羽生四段は当時17歳。谷川王位は当時25歳。解説は中原名人、当時40歳くらいか。司会はおなじみの永井英明さん、当時61歳くらい。ちなみに私は当時小学6年生。まだ将棋に興味を持っていなかった。

羽生四段は前年初参加ながらも福崎七段、米長十段という強敵を破ったので、今回の谷川王位との対戦は注目の一戦。先手は羽生四段。戦型は、谷川王位が注文をつけ、後手☖2三歩型の横歩取りに。しかし、その後羽生四段が注文をつけ、☖2五角に☗3二飛車成と飛車と金を交換する戦型ではなく、☖2五角に☗3六飛車と引く珍しい形になった。プロの実戦でこの戦型を見るのは私は初めてだ。

後手有利と思われる戦型だが、中原名人も永井さんも「羽生さんのことだからなにかあるんでしょうね」と言っていた。プロになったばかりの四段なのに、この信用は凄い。
しかし、この形はやはり後手有利なのか、序盤早々谷川王位は飛車を打ち込み竜を作る。一方、羽生四段を角を自陣に打たざる得ない状態。
谷川王位は、竜と飛車で羽生四段の玉頭を攻める。銀も攻めに参加してかなりの理想形。一方、羽生四段は打った角と右側の銀と桂馬が働かずかなり辛い状況。勝負どころがなく、一方的に谷川王位が勝ちそうな感じで、司会の永井さんも少し心配している感じだった。

ところが、谷川王位が☖7五歩と打った手が緩かったのか、そこから羽生四段が盛り返す。金銀四枚で玉頭を厚くして、谷川王位の竜を押し返す。かなり珍しい形。図面は著作権の問題があるといけないのでアップしないが、興味がある方はぜひ棋譜を並べて局面を見てほしい。

劣勢だった羽生四段だが、谷川王位の竜と飛車を抑え込み、気づいたら大優勢になっていた。野球でいえば、8-0で負けていたのが8-20になった感じ。谷川王位の攻めは完全に切れてしまい、投了の局面は素人目に見てもかなりの大差だったと思う。谷川王位は当時悔しかっただろうし、ショックだっただろうな。

感想戦。「☗3六飛車型は経験あるの?」と聞かれて、羽生四段は「初めてです・・・」と答えていた。一度やってみたかった、というところか。
羽生四段の将棋は強いだけじゃなく、見ていて面白い。自分も真似して☗3六飛車型を指してみたくなった。羽生四段のようにうまくはいかないだろうけど。非常に面白い将棋だった。