これからは、のびのび生きよう!

「他人が自分をどう思うか」より「自分が自分をどう思うか」の方が大事。これからは、もっとのびのび生きていきましょう!

私の将棋歴(4) 郵便将棋

私の将棋歴(3)からの続きです。

とにかく将棋に夢中だった私は、中学1年の夏休みに郵便将棋を始めた。郵便将棋とは、はがきに「▲7六歩」というように指し手を書いて送り、交互にはがきを送り合うことで対局する将棋のことだ。将棋の対局は1局が大体100手ぐらいかかるので、勝負が終わるまで1年くらいかかる。インターネットが普及した今では考えられないが、当時は愛好者がかなりいたと思う。

私は、将棋雑誌に郵便将棋の相手を募集する投稿をした。当時は、個人情報という考え方がなかったので、雑誌に名前と住所がそのまま掲載された。私の投稿を見てくれた全国各地の方から、はがきがたくさん来た。年齢は私と同じ中学生の人もいたし、60代の人もいた。20代の人が一番多かったと思う。

私はすぐ返事を書いて、郵便将棋が始まった。将棋の指し手以外に、お互いの趣味や近状報告を書いたりして、私は世代の違う様々な人とやりとりするのが楽しみになった。好きなプロ棋士のこととか将棋界の話をするのももちろん楽しかったし、時には勉強や親のこととかいろいろ悩みを相談してアドバイスをしてもらったこともあった。

郵便将棋は一番多い時で20人くらいの人とやりとりをしていたと思う。はがき代が大変だったのだが、やりとりをしていた方から、「エコーはがき」を教えてもらった。エコーはがきとは、はがきの一部に企業の広告が載っているはがきで、広告代は企業が負担するので通常のはがきより5円安かった。当時は安いからありがたいとしか思っていなかったのだが、今考えると、エコーはがきというのはよくできた仕組みだと思う。やっぱり企業にとって広告というのは重要なんだな。

郵便将棋は途中で返事が来なくなって、続かなくなってしまう人もいたが、何人かの人とは3年間くらい続いた。しかし、高校生になりいろいろ忙しくなり、私の方から返事を書かなくなってしまい、そのまま自然消滅してしまった。今思うと、やめるならやめるで、きちんとその旨を連絡するべきだったと思う。そうしたら、もしかしたら大人になって再び連絡を取り合い、将棋のイベント等で会ったりすることができたかもしれない。せっかくいろいろな人と知り合えたのだから、もっとその縁を大事にしておくべきだったと今更ながら反省している。

郵便将棋は本当に楽しかった。将棋そのものよりも、文通というか、いろいろな人と話ができるのが楽しかった。貴重な経験だったと思う。あの頃やりとりしていた人と偶然仕事等で知り合ったりしないかななんて思っているが、今のところそのような奇跡は起きていない。

 

また、この頃、新聞の切り抜きもしていた。私の家が購読していたのは読売新聞だったので竜王戦の棋譜だ。この切り抜きは今でも捨てずに保管してある。羽生五段対先崎四段の観戦記など、今読むと懐かしくて非常におもしろい。