退職した若者から生き方を教わる

自宅から駅に向かう途中に信号機のない横断歩道がある。道は狭いのだが交通量が多い。横断歩道がかくれてしまうほど渋滞していることが多く、しかも車の脇から自転車がヒュッと飛び出してくることもあるので、怖くてなかなか渡ることができない時がある。特に雨の日は渋滞がひどく、いつも「あそこの横断歩道を通るの嫌だな」と思う。見ているとみんな車が来ていても「人が優先でしょ」と言わんばかりに平気で渡っていくのだが、気が弱い私はなかなか渡ることができない。たまにいつまでたっても渡れない時があって気持ちが焦ってしまう。押しボタン式の信号機をつけてくれないかなといつも思う。信号機をつけるのっていくらくらいかかるのだろう？　

20代の人が中途で入社したのだが、数ヵ月で辞めてしまった。退職理由は、「この先、わがままな年寄りとずっと一緒に仕事をしていくことに疑問を感じた」とのこと。周囲の人は呆れていたが、私は妙に納得してしまった。若い頃の私にそっくりだ。今の世の中は何が正解かわからないし、そもそも正解なんてない。自分で考えて自分で決めることが大事だ。そうすれば少なくとも納得はする。この話を聞いてなんだか急激に会社を続けていくモチベーションが下がってしまった。そうか、それでいいんだなと教わった気持ちになった。