ドラマ「振り返れば奴がいる」
年末年始休暇は、ドラマ「振り返れば奴がいる」を全話見た。私が高校3年生の時のドラマだ。凄く面白いドラマで、定期的に見たくなってしまう。登場人物が多くなく、ほとんどが病院のシーンで、話がシンプルでわかりやすいのがいい。
このドラマのシーンで、外科部長が過去の手術で失敗したトラウマから手が震えるようになってしまう。それを周囲に隠して、なにかと理由をつけて手術をするのを断るのだが、神経症の私はそのシーンに凄く感情移入してしまった。傍から見ていると、周囲に正直に「手が震えるから手術ができないんだ」と言ってしまえばいいのにと思う。そうすれば周囲の人だって、馬鹿にしたりしないで、やさしく対応してくれるだろう。でもそれができない。バレないように嘘をついてしまう。何もないふりをしてしまう。私にはその気持ちが凄くわかる。でも、バレないように、何もないふりをするから苦しんだよなとも思う。
若い頃このドラマを見て、手が震えるシーンやそれを隠そうとするシーンを見た時はなんとも思わなかったが、今はそのシーンを見て心が痛くいろいろ考えてしまった。まさか20年前は、20年後このドラマを見てこんなことを思うなんて想像もしていなかったな。人間なんて、未来なんてわからないものだ。20年後はまったく違うことで悩んでいるのかもしれない。