部下の言葉で踏みとどまる
丸1日、ある監査の対応で疲れた。
そもそも監査の対応は、本来責任者である私の上司が対応しなくてはいけないのだが、
上司はなにもわからないので、私が対応することになった。それも、「悪いけど対応してくれないか？」とか言ってくれればまだいいのだが、そのような言葉は何もなく、当然のように私が対応することになっており、いつものことながらそれに対して腹が立った。
監査は無事終わったのでよかった。
席に戻ったら、電話の着信が何件かあり、通常業務も溜まっている。上司はなにも仕事を持ってない。おそらくこの日も何一つ仕事をしていないだろう。不思議だなと思う。これだけ不況だ、危機的状況だと言われているのに、仕事を何もしないで会社に来ているだけで、高い給料をもらっている人がいる。私は社会人になって25年ほど経つが、いつの時代もそういう人はいる。本当におかしいと思うしうんざりする。
せめて、「長い時間、監査対応お疲れ様」とか言ってくれれば、まだ救われる。だけど、そんな言葉を上司が言うはずがない。逆に、「これ急いで対応してもらわないと」などと嫌がらせをしてくる。丸1日監査対応をしていたことを知ってるくせにだ。
早く会社を辞めなくちゃな。自分がいくらがんばっても、このように楽をしている腐った人間が喜ぶだけだ。自分みたいに我慢して、頑張ることで、そういう人間がのさばってしまう。自分はある意味悪いことをしているのかもしれない。勇気を出して自分を大切にするべきだ。そう、自分を大切にするということは、ある意味勇気がいることだ。
どんなに辛い状況でも、我慢するというのは、ある意味勇気を必要としない楽なことなのかもしれない。
そんなことを考えながら悶々としていたら、部下に声を掛けられた。
「長い時間、監査の対応お疲れ様でした。」
思いもよらぬ言葉に驚いた。私が求めていた言葉をまんま言ってくれたので嬉しかった。「ありがとう」と答える。
私の部下は、周囲に気を使う人間なので、今後悪い人達に利用されてメンタルを病まないか心配だ。自分がやるべきことはなんだろう？
