これからは、のびのび生きよう!

「他人が自分をどう思うか」より「自分が自分をどう思うか」の方が大事。これからは、もっとのびのび生きていきましょう!

BAKU「はぶらし」

中学3年生の2学期だったと思う。席替えをして、クラスでアイドル的存在の凄くかわいい女の子と隣の席になった。本当にアイドルになってもおかしくないくらいかわいい子だった。席は隣だったが、私は必要最小限以外はその子と話すことはなかった(笑)

休み時間に、その子はいつもある曲を口ずさんでいた。何の曲かわからなかったが、いい曲だなと思い、CDを買いたいなと思った。でも、その子に「その曲、誰の曲?」と話しかける勇気はなかった。

それから数ヵ月が過ぎた頃、BAKUのシングル「ぞうきん」がヒットした。BAKUとは1989年から1992年まで活動していたバンドだ。私は「ぞうきん」でBAKUの存在を知りファンになった。過去の曲も聴いてみたいと思い、ミニアルバムの「ふたつめのはじまり」を購入した。1曲目のシングル曲でもある「ピーターパン」を聴いて、あれ?と思った。どこかで聞いた曲だ。初めて聴く曲なのに、なぜかメロディーを知っている。Bメロを聴いている時に、この後たしかこういうサビになるんだよなと思いながら胸がわくわくした。そう、「ピーターパン」は隣の席の女の子が口ずさんでいた曲だった。あの子もBAKUが好きなんだなと思った。その後、よっぽどその子に、「もしかして、BAKUのこと好き?」と話しかけようと何度も思ったが、結局卒業まで話しかけることはなかった(笑)

それからすっかりBAKUのファンになり、CDが発売されたら必ず購入していた。当時はラジオ番組もありいつも楽しみにして聴いていた。うろ覚えなのだが、確かラジオでCD化されていない「ウェディングワイン」という曲が流れたことがあって、凄くいい曲だと思ったのだが、私の記憶違いだろうか・・・?

1年間にフルアルバムを2枚出したりして精力的に活動しているなと思ったら、あっという間に解散してしまった。解散は残念だったが、その後の各メンバーのソロ活動が楽しみだった。ほとんどすべての曲を口ずさめるくらい聴いていたが、今でもよく聴くのが「はぶらし」という曲。「はぶらし」は今聴いても、いや、今の方が歌詞が心にズンとくる。

「はぶらし」という曲は、「毎日同じ日々の繰り返しだ」と嘆きながら歯を磨く人間に対して、はぶらしが「僕は君の歯は磨くけど、そんな灰色の心までは磨けないよ。生きがいを見つけて、君自身が心を磨くはぶらしになりなよ」と人間に対する思いを言っている歌。強いメッセージソングだと思う。

この曲はおそらく車谷浩司が10代の時に作ったと思うのだが、鋭い歌詞で大人になってからもたまに聴きたくなる。「生きがいを見つけたとき 君自身がはぶらし」という歌詞が、今40代半ばになってもの凄く心に刺さる。まるで自分に言われているようでドキッとする。若い頃には気がつかなかったメッセージだ。

歯を磨くと食べカスが落ちて口の中がスッキリする。では、心をスッキリさせるためにはどうしたらいいか? 歯を磨く度に、この曲の歌詞を思い出したいと思う。