これからは、のびのび生きよう!

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第36回 NHK杯将棋トーナメント 3回戦 真部一男七段 対 羽生善治四段

1986年12月に放送された、第36回NHK杯将棋トーナメント 3回戦 真部一男七段 対 羽生善治四段の対局を見た。私がNHK杯将棋トーナメントを見始めたのは1988年からなので、この対局は見たことがなくずっと見たいと思っていた。今回、アベマTVで見ることができた。ありがとうございます。

羽生四段はプロになったばかりで当時15歳か16歳。真部七段は当時34歳。和服で登場。容姿端麗。現代では見ないタイプの昭和の将棋指しといった感じ。対局中はタバコを吸っていたが、考えている表情やタバコを吸っている仕草がカッコいい。昔の時代のカッコいい人は本当にカッコいいなぁという感じ。解説はなんと加藤一二三九段。そして司会はおなじみの永井英明さん。

先手は羽生四段、後手は真部七段。☗7六歩☖8四歩☗6八銀☖3四歩という相矢倉の出だし。ところが、途中から真部七段が6筋の歩をつき、飛車を中央に振る。王様は右側へ。陽動振り飛車というのかな? おそらく、羽生四段の研究にハマらないように、力戦模様の将棋に持ち込んだのだと思う。
戦いは、お互いの玉頭の8筋、9筋から始まった。羽生四段がうまく攻めている様だったが、真部七段の☖8六歩という手に対する対応が難しく局面は一気に真部七段優勢に。あっという間に羽生玉はほとんど受けなしの状態になってしまった。
受けなしになってしまった羽生四段は、王手ラッシュで真部玉を攻める。ところがあきらかに詰まない。私には形作りに見えた。ところが羽生四段はあきらめない。必死に手を作る。司会の永井さんが、「いやー、将棋というのは手があるものですねー。」と感心していたが、私もそう思った。
あきらかに詰まない感じの真部玉だったが、真部七段が王様の逃げ方を間違えて、詰むや詰まざるやの局面になった。最後、香車を打って、その後に角を出れば真部玉は詰んでいて羽生四段の勝ちだった。ところが、羽生四段は先に角を出て、その後に香車を打った。ほんのわずかな差だが、真部玉は詰まず、羽生四段ついに投了。
非常に面白い対局だった。敗れはしたが、最後の粘り、猛烈な追い上げはどんなに悪くてもひっくり返す当時の羽生四段の強さを感じた。
昔のNHK杯は面白いな。どんどん見れるようにしてもらえるとありがたいのだが。