これからは、のびのび生きよう!

「他人が自分をどう思うか」より「自分が自分をどう思うか」の方が大事。これからは、もっとのびのび生きていきましょう!

生ぬるいコーラの思い出

私が中学生の頃の話。

当時、父が仕事関係の人をよく家に連れてきて、一緒にお酒を飲んで、夕食を食べていた。
当時はわからなかったが、今思うと連れてきていたのは下請け会社の人だったと思う。
当時は父が40歳ぐらいで、そのお客さん(以下Aさん)は35歳ぐらいだったと思う。

その頃、私は将棋に夢中になっていたのだが、Aさんも将棋が指せるみたいで、
1度対局をしたことがある。いい勝負だったが、確か、私が勝ったと思う。

当時、私は塾に通っていて、土曜日の午後は塾だった。
確か、13時半頃から18時ぐらいまで塾の授業があったと思う。
土曜日は午前中で学校が終わるが、午後は塾なので、
塾が終わった後、ようやく自由な週末の時間が始まるといった感じだった。
いうまでもなく、私は土曜日の夜の時間が一番好きだった。
塾が終わった後、古本屋に行き、その後コンビニでお菓子と炭酸飲料を買って、
家でお菓子を食べながら漫画を読むのが、当時の私の一番楽しみな時間だった。


ある土曜日のこと。
その日は塾のテストがあった。
5科目分のテストを受けて、かなり疲れた。
テストが終わって、解放感で一杯だった私は、いつものように古本屋とコンビニに寄って、
家に帰った。やっとくつろげると思った。

帰宅したら、Aさんが家に来ていた。
土曜日なのに来ているのは珍しい。
父が、私を見るなり、「待ってたぞ」と言ってニヤリと笑った。
Aさんと将棋を指せと言う。

どうやら、父は先日私とAさんが対局をしていい勝負だったので、
また対局をさせたいと思い、土曜日なのにAさんを家に呼んだらしい。
でも、私が塾でいなかったので、私が帰ってくるまでずっと待っていたらしい。

私は、将棋が好きだし、Aさんと対局をするのは嫌じゃなかったのだが、
その日は、塾で5科目分のテストを受けて、お腹もすいてるし、クタクタだった。
しかも、家の前に大きな坂があるのだが、その坂を自転車で登ってきたので、
はぁはぁと息がきれていた。とにかく疲れていた。

「ちょっと休ませてよ」と私は父に言った。
父は途端に不機嫌になり、「ずっと、待ってたんだぞ。早く準備しろ。」と私に言った。
私は、「塾で5時間もテストを受けてきて、今日はクタクタだから、勘弁して。」と父に言った。
すると、Aさんが空気を読んだのか、「今日は帰りますよ。またね。」と言って、帰っていった。


Aさんが帰った後、父はキレた。
「せっかくAさんを連れてきたのに、なんでやらないんだ」
「ずっと待ってたんだぞ」
「疲れたとか言うなら、塾辞めろ」
「お願いして塾にいってもらってるわけじゃない」
「高い金を払って塾にいってもらう必要はない」
「将棋もやめろ」
・・・などとしばらく怒鳴っていた。

私は言い返すことができず、ただ黙って聞いていた。
何故、そのようなことを言われなきゃいけないのだろうと思いながら。
嵐がすぎるのをひたすら耐えて待つといった感じだった。

母は、父がキレると関わりたくないという感じで、遠目で見ているだけだった。
そして、私が父に怒られると、「あなたのせいで、お父さんの機嫌が悪くなっちゃったじゃない」と
後から怒られることが多かった。
この日も確か、「疲れていたのかもしれないけど、1回だけやってあげればよかったのに」と
怒られたと思う。


いまだに思うのだが、私が悪かったのだろうか?
確かに、Aさんは休みの日に、父に「うちに来て、息子と将棋やれよ」とおそらく強引に誘われて、
ずっと私の帰宅を待っていて気の毒だったと思う。
Aさんのことを思えば、我慢して将棋をやるべきだった。
おそらく今の私だったらそうするだろう。

でも、当時の私は中学生だ。
そして私にだって予定はある。
それを全然考えてもらってないのが悲しかった。
そもそも、土曜日の午後が塾だったということすら、父は知らなかった。

前日に言ってくれればいいのに、と思った。
「明日、Aさん連れてくるから、将棋やろう」と言ってくれれば、こっちもそのつもりで心の準備ができた。
人の都合も考えず、自分の思いついたとおりに行動して、思い通りにならないとキレる。
Aさんもおそらく、父にはかなり気を使っていたのではないだろうか。


逆の立場で、私が今中学生の子供がいたらどうだろう?
仕事関係の人を、家に連れてくるなんてことはないだろうが、
仮に同じようなことをする場合、
やはり私は前もって子供に「今度の土曜日の午後はあいてるか?」って予定を聞くと思う。


その日、父にこっぴどく怒られて、行き場のない理不尽な気持ちを抱えた私は、
泣きながらすっかり生ぬるくなってしまったコーラを飲んだ。
楽しみにしていた土曜の夜の時間が台無しだった。
コーラを飲んでいる時に、母がやってきて、母にも怒られた。
誰にも私の気持ちはわかってもらえないんだなと思った。
もしかしたら、唯一、Aさんだけが私の気持ちをわかってくれていたのかもしれない。

あの時、冷静でいられたのは、きっと未来への希望があったからだと思う。
大人になったら、自由にのびのび生きられると思っていたからだと思う。

今思えば、ちゃんとあの時に私もキレて、自分の気持ちを言うべきだった。
きちんと自己主張するべきだった。

このような出来事の積み重ねが、今の私を苦しめているのだろうか?
今からでも生き方を変えられるだろうか?
今更だけど、これからはきちんと自己主張していこうと思う。

 

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